2006年 04月 16日
最近読んだ本から-企業のスキャンダルから |
『プロフェッショナル広報戦略』(世耕弘成・ゴマブックス刊)
なんとなく、一年前のJR西日本の脱線事故を思い出しました。関西の私鉄事情は分かりませんが、当時のJR西がスタンダードより上にいたのは予想できます。それでも結局、あのような事故が起き、さらにそれに連なる問題の表面化…。
あの時、最初に問題にされたのは、事故車両に乗っていたJR社員の動きなのですが、(自分が知る限り)あれってあくまでも上司の判断に従っただけなんですよね。特定の危機状況下でまず上司の判断を仰ぐのは問題ないので、上司の判断が、世間の常識からズレていたこと、そのずれの原因がどこにあるのか…どれだけ検証されたのか、聞いてみたいところです。
もっとも、こういう状況下でこういう判断をする…といったマニュアルを作ればそれでよい、ということでも無く…それは日々たくさんの人をおもてなしする外食産業でも同じです。前線指揮官の社員として自分が、緊急事態にどう判断するか…毎日悩みながら仕事をしていると、時々発狂しそうになります(大げさですが)。ただ、そう考えると、必ず正解の用意されていた高校辺りまでの勉強というのはある意味簡単なのかなぁ、と思うのです。
個人的に、企業スキャンダルの一番のサンプルは『雪印事件(集団食中毒・牛肉偽装)』(資料1・資料2)ですね。同じ食品を扱う商売の身としては怖い話です。
私は企業の危機管理をテーマにした(ボストン大の)卒論で、「大きなスキャンダルに巻き込まれる企業と巻き込まれない企業の違いは何か?」というレプテーションモデルについて研究した。結論として、巻き込まれない企業は社会的にそれほど評価されておらず、世の中のスタンダードについていこうと必死の企業。一方で、スキャンダルに巻き込まれる企業はある時期、非常に評判がよく業績も好調。世間のスタンダードよりはるかに上をいっている。そこで社員や会社が「ウチはコレで大丈夫」と慢心してしまう。ライブドアの一件が落ち着いたので、メモ用に。
ところが、環境問題など世の中のスタンダードは常に変化し、求めるレベルも高くなっていく。危機感が薄れ、成長する努力を怠っている間に、自分たちがスタンダードに追い抜かれていることに気付かないでいる。昔の財産やリードがあるから食いつないでいけるだろう……。
遅れに気づいたときには一大スキャンダルになるというのが私の理論だ。だからこそ評判のよい企業や組織は、世の中のスタンダードがどこにあるのかを常にモニタリングしておく必要がある。(164頁)
なんとなく、一年前のJR西日本の脱線事故を思い出しました。関西の私鉄事情は分かりませんが、当時のJR西がスタンダードより上にいたのは予想できます。それでも結局、あのような事故が起き、さらにそれに連なる問題の表面化…。
あの時、最初に問題にされたのは、事故車両に乗っていたJR社員の動きなのですが、(自分が知る限り)あれってあくまでも上司の判断に従っただけなんですよね。特定の危機状況下でまず上司の判断を仰ぐのは問題ないので、上司の判断が、世間の常識からズレていたこと、そのずれの原因がどこにあるのか…どれだけ検証されたのか、聞いてみたいところです。
もっとも、こういう状況下でこういう判断をする…といったマニュアルを作ればそれでよい、ということでも無く…それは日々たくさんの人をおもてなしする外食産業でも同じです。前線指揮官の社員として自分が、緊急事態にどう判断するか…毎日悩みながら仕事をしていると、時々発狂しそうになります(大げさですが)。ただ、そう考えると、必ず正解の用意されていた高校辺りまでの勉強というのはある意味簡単なのかなぁ、と思うのです。
個人的に、企業スキャンダルの一番のサンプルは『雪印事件(集団食中毒・牛肉偽装)』(資料1・資料2)ですね。同じ食品を扱う商売の身としては怖い話です。
by scluge
| 2006-04-16 04:37
| 本読風情