2006年 09月 05日
宮本常一 “イザベラ・バードの『日本奥地紀行』を読む” |
先日名古屋行ったとき、ジュンク堂書店で衝動買いした本をようやく読み始め。平凡社ライブラリーなので、相変わらず高いですが(1200円)…宮本先生の本ならハズレはない、ということで。似たシリーズで岩波現代文庫になるとハズレがあるから困るのですが。
底本の『日本奥地紀行』を読んだのは確か7年前。あの頃はこんなに飛ばされる商売に就くとも思わず、さらっと流し読みした程度でしたが…今回の宮本先生の文章に触れると見方が変わるから紀行文は難しいです(モースの『日本その日その日』の解説書があったら読んでみたいところですね~)。
今のところ、三分の一まで。下、抜粋は日光の金谷旅館にイザベラが泊まった際の記事を元に宮本先生が語る部分。
これを読んで考えたのが昔のウチの間取り。農家らしく6畳間が二つと納戸が二つ、そこに隣接して台所と玄関兼土間。小学校の頃は6畳のうちのひとつの居間で勉強したり、ミニ四駆を組み立てていたりということをしていた記憶があります。嫌なことがあれば納戸に逃げ込むのですが、これがまた襖で区切られているだけなので、隠れられるはずも無く…。
そんな間取りの家も老朽化に耐えられず建て直し。二階家の2階は壁で区切られた子供部屋がいくつか。周辺の農家の建て直し後も似たようなもので…『子供部屋』なるものを造る時代になったことが、イザベラ・バードのいた明治11年ごろの日本との違いなのかなぁ、と思うのです。その当時のイギリスの上流家庭では当然のごとく部屋が別々にあったそうですが。
子供の人権云々はともかく、プライバシーを強調しすぎると、親と接触せずに育ってしまう子が育っていくような気がするのは…気のせいであればいいのですが。
小学生が、授業中に教師のいる教室で同級生を刺す…イザベラ・バードはおろか、宮本先生すら想像しなかった時代になってしまったことが残念でならないのです。
底本の『日本奥地紀行』を読んだのは確か7年前。あの頃はこんなに飛ばされる商売に就くとも思わず、さらっと流し読みした程度でしたが…今回の宮本先生の文章に触れると見方が変わるから紀行文は難しいです(モースの『日本その日その日』の解説書があったら読んでみたいところですね~)。
今のところ、三分の一まで。下、抜粋は日光の金谷旅館にイザベラが泊まった際の記事を元に宮本先生が語る部分。
しかし(障子という半透明の仕切りのように)プライバシーがほとんど問題でなかったということが、逆にお互いが安心して安全な生活ができたということなのです。たとえば女が一人で旅ができるということは、プライバシーをわれわれがそれほど尊ばなくてはならないようなことが無かったからではないか。われわれの生活を周囲から区切らなきゃならないときには、すでにわれわれ自身の生活が不安定になっていることを意味するのではないかと思うのです。
これを読んで考えたのが昔のウチの間取り。農家らしく6畳間が二つと納戸が二つ、そこに隣接して台所と玄関兼土間。小学校の頃は6畳のうちのひとつの居間で勉強したり、ミニ四駆を組み立てていたりということをしていた記憶があります。嫌なことがあれば納戸に逃げ込むのですが、これがまた襖で区切られているだけなので、隠れられるはずも無く…。
そんな間取りの家も老朽化に耐えられず建て直し。二階家の2階は壁で区切られた子供部屋がいくつか。周辺の農家の建て直し後も似たようなもので…『子供部屋』なるものを造る時代になったことが、イザベラ・バードのいた明治11年ごろの日本との違いなのかなぁ、と思うのです。その当時のイギリスの上流家庭では当然のごとく部屋が別々にあったそうですが。
子供の人権云々はともかく、プライバシーを強調しすぎると、親と接触せずに育ってしまう子が育っていくような気がするのは…気のせいであればいいのですが。
小学生が、授業中に教師のいる教室で同級生を刺す…イザベラ・バードはおろか、宮本先生すら想像しなかった時代になってしまったことが残念でならないのです。
by scluge
| 2006-09-05 07:36
| 本読風情