2007年 03月 07日
『Canvas2~虹色のスケッチ~』―竹内麻巳 |
2月14日のエントリーのおまけにあったシチュエーションから。まぁ、無難な線で。
【ただ、きっかけが欲しくて】
バレンタインのあの日から数日後。
私はなぜか、先生の自宅の一室で、かなり恥ずかしい格好をしていた。
目の前にはイーゼルを置いた上倉先生。
先生の手にはクロッキー。
もし、誰かに見られたら…私はどうしたらいいんだろう。
「……あの、上倉先生…?」
「なんだよ、竹内」
「絵を描くのはいいとして、何で私がこんな格好してるんですか?」
「お前が自分で言ったんだろうが。(略)…って」
「あ、いや、その、あれはまぁ…冗談で」
「………」
「に、睨まないでくださいよ。それに、まさか私をモデルにしようだなんて…思うはずないじゃないですか…」
「…前にも言ったよな。強制されて描く絵に意味はないって」
「……はい」
「だから、そういうことだ」
「えっと、先生、やっぱり怒ってます…?」
「竹内は、俺が今、嫌々描いてると思うか?」
「え…」
「つまりだ。俺は描きたいものしか描かないんだよ」
「……あの、それって…」
「ったく、これ以上言わせるなっての。モデルはおとなしくしてるのが仕事だろ」
「は、はい」
「…………」
「……………」
「………多分さ…」
「…?」
「麻生画伯も、何かきっかけがほしかったんだろうな」
「きっかけ、ですか?」
「余計なほかの事をぜんぶ振りきって、絵に集中できるきっかけがさ」
「……先生?」
「さて、無駄話は終わりだ。ちゃっちゃと描いちまうぞ」
「………はい」
美術室では見たことのない目で、キャンバスにクロッキーを走らせる上倉先生。
美術部の先輩から少しだけ聞いた、麻生画伯の撫子学園時代のこと。
先輩も、人づてで聞いただけらしいけど…やはり麻生画伯も一時期、筆を折っていたらしい。
ふたたび描き始めたきっかけが、シーツの一件。
学園にはバレなかったらしいけど、美術部では有名な話。
上倉先生…
先生の言う『余計なこと』って、何なんですか?
先生の『描きたいもの』が私って…どういうことなのか、お聞きしてもいいんですか?
真剣にキャンバスを埋めていく先生を見ながら、私は答えの返ってこない質問を繰り返していた。
本編の時間軸にはあまり合わないかもしれませんが、まぁ、なんとなく(笑) もうちょっとコメディちっくにするつもりだったんですけどね。この辺の浩樹に関しては、紗綾さんシナリオのほうが合ってるような気もします。
…つか、小話書くつもり、なかったんですけどねぇ。
ここ最近、アップデートされたXPが、使ってるプリンタのドライバと合ってないらしくて、簡単にフリーズするもんで、やや怖いです。肝心のhpは問題を把握してるみたいですが…さっさと解決してほしいものです。
by scluge
| 2007-03-07 06:15
| 絵