2008年 03月 07日
毎日がスペシャル? それとも今日はもっとスペシャル? |
国府田マリ子さんの名曲「雨のちスペシャル」から流用(笑) 日常のひとコマをスペシャル、と表現したのは本当に国府田さんらしくてすごく良いですよね。んー、久しぶりに国府田さんの名雪に会いたくなりました。
閑話休題。
何日か前にやまぐう様からメールを頂きまして、3月7日にこの小文を出そう、ということになりました。
簡単に経緯をお話しますと、やまぐう様がラジオで、歌手の「Sana」という人が三月七日を「Sana (さな)の日」としてCDを出すと語っていたのを聴き、今回のネタが浮かんだそうです。
参考:「Sana」さんのサイトhttp://www.i-revo.jp/artist/sana/index.html
偶然のきっかけから生まれた相川紗奈小文、まずはやまぐう様の文章からどうぞ♪
【Original Story 「三月七日、紗奈(さな)の日」 by やまぐう様・ブタベスト】
「ねえねえ、これ、いいでしょ」
紗奈がにっこりほほえみながら差し出してきたのはシルバーのイヤリング。
凝った彫刻入りのそれは確かにいいものだ。シルバーの本物で、お値段もそれ相応。
「買ってよ」
「俺の財布が十個あっても足りない」
「むー」
ほっぺたを可愛くふくらませる紗奈だって俺の懐具合は知っているから、本気じゃない。すぐに他のアクセサリーに気を移す。
今日は三月七日。三と七で、さ、な。「紗奈の日」。
「Sana」という、同じ音を持つ名前のアーティストがこの日を「Sanaの日」としてCDを発売するというニュースを見つけた紗奈は、その瞬間に「私の日だ!」と叫んだ。
そういうふうに決めるのは俺も吝かでない。「わーい、私の日~」と浮かれる紗奈に誘われてウインドーショッピングに出向いた。
ショーウインドウを見るだけでなく、暖房の効いた店のなかに入ってはあれこれ見せられ、「私の日なんだから、買ってよ」という攻撃を食らいまくる。「金がない」もしくは「誕生日にはなんとか」と躱しつづける。
おねだりを退けるたびに、むうとうなって、頬をふくらませて、「ちゃんと考えてよ」と声をあげる紗奈がとっても可愛い。ポニーテールを揺らすこの元気の良さが紗奈の一番の魅力だ。だから俺はこうして「紗奈の日」にも彼女と付き合い、財布を突く攻撃をひたすら受ける。
軽く腹に入れておこうとハンバーガーショップに入ったときには「紗奈の日なんだからおごるぞ」とこっちから言い出したのだが、「ここはいいよ」と逆に躱された。勘定をそれぞれ自分持ちにするのは紗奈の律義なところでもあり、今日に限ってはここで奢られたら「買ってよ」攻撃ができなくなるからでもあるはず。
腹も満たされたところでまた店をぶらりとまわり、紗奈の欲しいものがいかにたくさんあるかをあらためて教えてもらった。ショッピングを切り上げてからゲーセンで遊び、いつもの時刻になったところで帰途についた。
「結局、せっかくの紗奈の日なのに、大したことはできなかったな」
「そんなことないよ。いっしょにいてくれたじゃない。ありがと」
人が少ない道になって、より密に寄り添ってくる紗奈。
三月になってもまだまだ寒い。そんな寒さは、こうして体で感じる温かさがかき消してくれる。そっと吹きかけてくる彼女の息の甘さにとろけてしまいそうだ。
俺もぎゅっと抱えかえす。女の子の華奢で、ふくよかで柔らかい体を腕に縛ってしまう。
「紗奈の日だけじゃないよ。いつだっていっしょにいるさ。紗奈が大好きだから」
「うん。……えへ、彰がいつもいてくれるなら、毎日が紗奈の日みたいなものかな」
「そうかもな」
にこにこする紗奈に、そっと顔を寄せていく。周りに誰もいないことは確かめてある。目をつむった彼女の甘い唇の感触に酔いしれる。
俺にとっては紗奈といる毎日が紗奈の日。こうして紗奈を感じることができる幸せな日。
そう思ったけれど、思うだけで口には出さなかった。出すよりも、唇で触れあっているほうが大事だったから。
―――――――
ここからは、上の小文を頂いてから、続きとしてオマケでブタベが書いたものです。
えっちな紗奈のお話もいいですが、こういう普通の日常で見せる、色々な表情も紗奈という女の子の魅力だと思います。
―――――――
「結局、それでいいのか?」
「うん、甘くて美味しいよ♪」
俺の、何度目かの確認の声に、相変わらずとろけそうな笑顔の紗奈が答えてくれる。
「まぁ…喜んでくれるならいいけど…」
「えへへ…スピーカーの声、聴いたらどうしても食べたくなっちゃった」
スピーカーの声、というのは冬になると聞こえてくる、いつもの「い~しや~きいも~ぉ、おいも♪」のアレである。
遠くからアレが聞こえた瞬間、紗奈の目の色が変わった。もう夜の帳も下りた街の中で、彼女の目が光ったような気がしたのは気のせいではない…はず。わけの分からないまま、紗奈に引っ張られて、気がついたら移動販売の焼き芋屋の前にいた。
…女の子が焼き芋が好きなのは良く聞く話だけど、紗奈までそうだとは思っていなかった。
俺に向かってにっこり笑顔で一言――「これがいいな♪」
今日一日、何度もおねだりされたものとは違う、俺の財布でも耐えられるものだった。
「うふふ~♪」
抱え込んだ新聞紙の包みから、二個目の焼き芋に紗奈が手をのばす。
せっかくの「紗奈の日」だというのに、彼氏の俺がプレゼントできたのは焼き芋四つ。
ちょっと凹みそうだ。
「どうしたの?」
「いや…なんでもない」
焼き芋をほおばりながら、嬉しそうに俺に顔を向けてくる紗奈。
「変なの」
そう言って、首をちょっとだけひねる。
つられて自慢のポニーテールがほんの少し揺れた。
紙袋と一緒に抱え込んだ俺の腕には相変わらず紗奈の温かさが伝わってくる。
いつもと変わらない紗奈。
俺の大好きな彼女。
とっぷり暮れた夜空を眺めながら、一言だけつぶやいた。
「まぁ…いっかぁ」
今は紗奈のこの笑顔が見られるだけでよしとしよう。
そして、いつか…それこそシルバーのイヤリングでもプレゼントできるようになって、もっともっととびきりの笑顔が見られるようにしよう。
紗奈の隣を歩きながら、俺は密かにそんな決意を固めた。
「さて、帰るか!」
「うんっ♪」
拗ねたり笑ったり首をひねったり喜んだり…紗奈のかわいらしさを楽しんでいただけたら幸いです。…アレ? ブタベが紗奈で小文を書くのって初めて、なのかな? まぁ、今回はオマケだから例外になるのか。
今回は特に、文章に合った絵でも描ければよかったのですが、さすがに時間切れ。紗奈かどうかは分かりませんが、焼き芋を抱えた女の子は一度描いてみたいですね。
○
高知のほうでは雪割桜が見ごろになったそうです。高知、と聞くとどうしてもタイガースのキャンプを思い出す、オープン戦が始まって何日か経った今日この頃なのでした。
…それにしても、中田は大丈夫なんでしょうかねぇ…。
個人的には彼そのものよりも、場合によっては非難の的にされかねないハムの監督さんのほうが心配(^^; 貧乏くじひきそうなタイプ…なわきゃないと思いますが。
閑話休題。
何日か前にやまぐう様からメールを頂きまして、3月7日にこの小文を出そう、ということになりました。
簡単に経緯をお話しますと、やまぐう様がラジオで、歌手の「Sana」という人が三月七日を「Sana (さな)の日」としてCDを出すと語っていたのを聴き、今回のネタが浮かんだそうです。
参考:「Sana」さんのサイトhttp://www.i-revo.jp/artist/sana/index.html
偶然のきっかけから生まれた相川紗奈小文、まずはやまぐう様の文章からどうぞ♪
【Original Story 「三月七日、紗奈(さな)の日」 by やまぐう様・ブタベスト】
「ねえねえ、これ、いいでしょ」
紗奈がにっこりほほえみながら差し出してきたのはシルバーのイヤリング。
凝った彫刻入りのそれは確かにいいものだ。シルバーの本物で、お値段もそれ相応。
「買ってよ」
「俺の財布が十個あっても足りない」
「むー」
ほっぺたを可愛くふくらませる紗奈だって俺の懐具合は知っているから、本気じゃない。すぐに他のアクセサリーに気を移す。
今日は三月七日。三と七で、さ、な。「紗奈の日」。
「Sana」という、同じ音を持つ名前のアーティストがこの日を「Sanaの日」としてCDを発売するというニュースを見つけた紗奈は、その瞬間に「私の日だ!」と叫んだ。
そういうふうに決めるのは俺も吝かでない。「わーい、私の日~」と浮かれる紗奈に誘われてウインドーショッピングに出向いた。
ショーウインドウを見るだけでなく、暖房の効いた店のなかに入ってはあれこれ見せられ、「私の日なんだから、買ってよ」という攻撃を食らいまくる。「金がない」もしくは「誕生日にはなんとか」と躱しつづける。
おねだりを退けるたびに、むうとうなって、頬をふくらませて、「ちゃんと考えてよ」と声をあげる紗奈がとっても可愛い。ポニーテールを揺らすこの元気の良さが紗奈の一番の魅力だ。だから俺はこうして「紗奈の日」にも彼女と付き合い、財布を突く攻撃をひたすら受ける。
軽く腹に入れておこうとハンバーガーショップに入ったときには「紗奈の日なんだからおごるぞ」とこっちから言い出したのだが、「ここはいいよ」と逆に躱された。勘定をそれぞれ自分持ちにするのは紗奈の律義なところでもあり、今日に限ってはここで奢られたら「買ってよ」攻撃ができなくなるからでもあるはず。
腹も満たされたところでまた店をぶらりとまわり、紗奈の欲しいものがいかにたくさんあるかをあらためて教えてもらった。ショッピングを切り上げてからゲーセンで遊び、いつもの時刻になったところで帰途についた。
「結局、せっかくの紗奈の日なのに、大したことはできなかったな」
「そんなことないよ。いっしょにいてくれたじゃない。ありがと」
人が少ない道になって、より密に寄り添ってくる紗奈。
三月になってもまだまだ寒い。そんな寒さは、こうして体で感じる温かさがかき消してくれる。そっと吹きかけてくる彼女の息の甘さにとろけてしまいそうだ。
俺もぎゅっと抱えかえす。女の子の華奢で、ふくよかで柔らかい体を腕に縛ってしまう。
「紗奈の日だけじゃないよ。いつだっていっしょにいるさ。紗奈が大好きだから」
「うん。……えへ、彰がいつもいてくれるなら、毎日が紗奈の日みたいなものかな」
「そうかもな」
にこにこする紗奈に、そっと顔を寄せていく。周りに誰もいないことは確かめてある。目をつむった彼女の甘い唇の感触に酔いしれる。
俺にとっては紗奈といる毎日が紗奈の日。こうして紗奈を感じることができる幸せな日。
そう思ったけれど、思うだけで口には出さなかった。出すよりも、唇で触れあっているほうが大事だったから。
―――――――
ここからは、上の小文を頂いてから、続きとしてオマケでブタベが書いたものです。
えっちな紗奈のお話もいいですが、こういう普通の日常で見せる、色々な表情も紗奈という女の子の魅力だと思います。
―――――――
「結局、それでいいのか?」
「うん、甘くて美味しいよ♪」
俺の、何度目かの確認の声に、相変わらずとろけそうな笑顔の紗奈が答えてくれる。
「まぁ…喜んでくれるならいいけど…」
「えへへ…スピーカーの声、聴いたらどうしても食べたくなっちゃった」
スピーカーの声、というのは冬になると聞こえてくる、いつもの「い~しや~きいも~ぉ、おいも♪」のアレである。
遠くからアレが聞こえた瞬間、紗奈の目の色が変わった。もう夜の帳も下りた街の中で、彼女の目が光ったような気がしたのは気のせいではない…はず。わけの分からないまま、紗奈に引っ張られて、気がついたら移動販売の焼き芋屋の前にいた。
…女の子が焼き芋が好きなのは良く聞く話だけど、紗奈までそうだとは思っていなかった。
俺に向かってにっこり笑顔で一言――「これがいいな♪」
今日一日、何度もおねだりされたものとは違う、俺の財布でも耐えられるものだった。
「うふふ~♪」
抱え込んだ新聞紙の包みから、二個目の焼き芋に紗奈が手をのばす。
せっかくの「紗奈の日」だというのに、彼氏の俺がプレゼントできたのは焼き芋四つ。
ちょっと凹みそうだ。
「どうしたの?」
「いや…なんでもない」
焼き芋をほおばりながら、嬉しそうに俺に顔を向けてくる紗奈。
「変なの」
そう言って、首をちょっとだけひねる。
つられて自慢のポニーテールがほんの少し揺れた。
紙袋と一緒に抱え込んだ俺の腕には相変わらず紗奈の温かさが伝わってくる。
いつもと変わらない紗奈。
俺の大好きな彼女。
とっぷり暮れた夜空を眺めながら、一言だけつぶやいた。
「まぁ…いっかぁ」
今は紗奈のこの笑顔が見られるだけでよしとしよう。
そして、いつか…それこそシルバーのイヤリングでもプレゼントできるようになって、もっともっととびきりの笑顔が見られるようにしよう。
紗奈の隣を歩きながら、俺は密かにそんな決意を固めた。
「さて、帰るか!」
「うんっ♪」
拗ねたり笑ったり首をひねったり喜んだり…紗奈のかわいらしさを楽しんでいただけたら幸いです。…アレ? ブタベが紗奈で小文を書くのって初めて、なのかな? まぁ、今回はオマケだから例外になるのか。
今回は特に、文章に合った絵でも描ければよかったのですが、さすがに時間切れ。紗奈かどうかは分かりませんが、焼き芋を抱えた女の子は一度描いてみたいですね。
○
高知のほうでは雪割桜が見ごろになったそうです。高知、と聞くとどうしてもタイガースのキャンプを思い出す、オープン戦が始まって何日か経った今日この頃なのでした。
…それにしても、中田は大丈夫なんでしょうかねぇ…。
個人的には彼そのものよりも、場合によっては非難の的にされかねないハムの監督さんのほうが心配(^^; 貧乏くじひきそうなタイプ…なわきゃないと思いますが。
by scluge
| 2008-03-07 03:59
| 絵