2005年 10月 20日
鬼無里村探訪(2) |
日本地名大百科より『鬼無里(村』の項
県北部、犀川支流裾花川上流域の村。1889年(M22)4月1日村政施行。平惟茂(これもち)が鬼女紅葉(もみじ)を退治したので、鬼のいない里というのが村名の由来とされ、謡曲『鬼女紅葉』で知られる。天武天皇が遷都を計画、鬼退治をしたという伝説もある。昭和初期まで麻を栽培、現在は葉タバコ栽培が盛ん。裾花川源流の奥裾花自然園にはブナ原生林やミズバショウの大群落があり、上信越高原国立公園に属する。南の祖山(そやま)(曽山)には遷都のため鬼門除けに建立したと伝える白髯神社本殿がある。東京・西京、春日・賀茂神社など京都と同じ地名や神社がある。
偶然見つけた鬼無里、という村なのですが、現在住んでいる上田の人に聞くと大体7割くらいの人は村について少なくとも名前だけでも知っているみたいです(サンプル数12人)。さらに、ほとんどの人は鬼無里と水芭蕉をくっつけて覚えているみたいで、この知られ方はどういうことなのかな、と思うこともあります。『知られている』『知っている』ということはある程度地域的な繋がりが無いとありえない関係です。たとえば、同じ長野の人でも、上田周辺は群馬の地域とそれなりの関わりはありますが、逆に松本周辺はまったく関わりがありませんし、ほとんど知識も無いみたいです。これは、新潟方面から上田を通って(北国街道)、中仙道に入り群馬に向かう…という人の流れと関係しています。松本・塩尻は中山道も通っているのですが、現在は中央道が出来ているためか、山梨や八王子近辺との関わりのほうが強いみたいです。松本にいた頃は鬼無里村の存在を知らなかったので調べようも無いのですが、知っているかどうか利いてみたい気もします。
人が動くから道が出来るのか、道のある所に人が流れるのか、鶏と卵の話のような感じですが、村と村の関わりを調べる点では色々と面白いなぁ、と思います。
この項で不思議だったのは京都との関わり。標高1000メートルを越える裾花川上流に遷都しようというのは奈良時代に考えるでしょうか。また、この距離を遷都するほどの理由があるでしょうか。この項の記事の根拠が何なのかは村に行かなければ分かりませんが、これまた面白い問題です。『伝説』は何かしらかの意味があって残るものですが、今回の意味は何なのでしょうか。
別の伝説の話。紅葉と呼ばれた鬼女とは一体何なのか。正直、名前だけとれば非常に美しい女性を想像してしまうのが本音です。ある女性がいて、その女性は村に災いをもたらしていた。その女性を放逐、もしくは殺害するために何らかの理由と状況を持ち出した。それが『鬼女』と名家『平家』。人と違う鬼を殺すことに罪は無く、貴族の流れをくむ平氏が退治したのだから正しいことなのだと村人は周囲と自身を納得させた…とは考えられないだろうか。何も、紅葉という女性が悪人である必要はなく、村の実力者としての彼女を打ち倒すクーデターなのだとしたら、ある程度のつじつまは合う。さて、どうなることやら。
県北部、犀川支流裾花川上流域の村。1889年(M22)4月1日村政施行。平惟茂(これもち)が鬼女紅葉(もみじ)を退治したので、鬼のいない里というのが村名の由来とされ、謡曲『鬼女紅葉』で知られる。天武天皇が遷都を計画、鬼退治をしたという伝説もある。昭和初期まで麻を栽培、現在は葉タバコ栽培が盛ん。裾花川源流の奥裾花自然園にはブナ原生林やミズバショウの大群落があり、上信越高原国立公園に属する。南の祖山(そやま)(曽山)には遷都のため鬼門除けに建立したと伝える白髯神社本殿がある。東京・西京、春日・賀茂神社など京都と同じ地名や神社がある。
偶然見つけた鬼無里、という村なのですが、現在住んでいる上田の人に聞くと大体7割くらいの人は村について少なくとも名前だけでも知っているみたいです(サンプル数12人)。さらに、ほとんどの人は鬼無里と水芭蕉をくっつけて覚えているみたいで、この知られ方はどういうことなのかな、と思うこともあります。『知られている』『知っている』ということはある程度地域的な繋がりが無いとありえない関係です。たとえば、同じ長野の人でも、上田周辺は群馬の地域とそれなりの関わりはありますが、逆に松本周辺はまったく関わりがありませんし、ほとんど知識も無いみたいです。これは、新潟方面から上田を通って(北国街道)、中仙道に入り群馬に向かう…という人の流れと関係しています。松本・塩尻は中山道も通っているのですが、現在は中央道が出来ているためか、山梨や八王子近辺との関わりのほうが強いみたいです。松本にいた頃は鬼無里村の存在を知らなかったので調べようも無いのですが、知っているかどうか利いてみたい気もします。
人が動くから道が出来るのか、道のある所に人が流れるのか、鶏と卵の話のような感じですが、村と村の関わりを調べる点では色々と面白いなぁ、と思います。
この項で不思議だったのは京都との関わり。標高1000メートルを越える裾花川上流に遷都しようというのは奈良時代に考えるでしょうか。また、この距離を遷都するほどの理由があるでしょうか。この項の記事の根拠が何なのかは村に行かなければ分かりませんが、これまた面白い問題です。『伝説』は何かしらかの意味があって残るものですが、今回の意味は何なのでしょうか。
別の伝説の話。紅葉と呼ばれた鬼女とは一体何なのか。正直、名前だけとれば非常に美しい女性を想像してしまうのが本音です。ある女性がいて、その女性は村に災いをもたらしていた。その女性を放逐、もしくは殺害するために何らかの理由と状況を持ち出した。それが『鬼女』と名家『平家』。人と違う鬼を殺すことに罪は無く、貴族の流れをくむ平氏が退治したのだから正しいことなのだと村人は周囲と自身を納得させた…とは考えられないだろうか。何も、紅葉という女性が悪人である必要はなく、村の実力者としての彼女を打ち倒すクーデターなのだとしたら、ある程度のつじつまは合う。さて、どうなることやら。
by scluge
| 2005-10-20 06:08
| 史研メモ